西暦20XX年
シンジ率いるハートキャッチ☆アストラーズは愛と勇気を武器にアストルティアの平和を守っていた。
しかし、突如漆黒の闘気(オーラ)を纏い現れた常闇の竜レグナード。
その存在にハートキャッチ☆アストラーズはなす術もなく敗北する…。
「なんでだ!愛があればみんな笑顔になれるのに!勇気があれば手を取り合えるのに…」
一命を取り留めたシンジは緊急治療室の天井にその言葉を呟く。
「ククク、シンジ。闇に対抗出来るのは光と言うのは大きな間違いだ。何かって?更なる「闇」だ。」
「そ、その声は!?」
「・・・・・ククク・・・・・シンジよ更なる闇を求めるのか、今のまま勝ち目のない戦いを続けるのか
・・・・・我の力が欲しくば廃店舗『JIGOKU』跡に来るが良い・・・・・ククッククク・・・・・」
「お、お前は!!誰だっ!!誰なんだっ!」
目の前が真っ暗な霧に覆われ、そして消えてゆく・・・・・シンジは肩で息をし、疼く傷口を押さえた。
「あ、愛があれば・・・・・光が・・・・・あれば・・・・・ッ・・・・・」そのまま意識が薄れ行き、目の前が真っ暗になるのを感じた。
一方同時刻、ジュニマは・・・
「シンジの気に異変が・・・・・!」ハートキャッチ☆アストラーズピンクであるジュニマは瞑想中ふと顔を上げた。
ピキッとこめかみ辺りが痛み顔をしかめる。と共に脳裏に浮かぶシンヂの姿に目眩がおこる。
「まだ病院のはずでは・・・・・」ふらふらと立ち上がり意識をしっかりさせるためにかぶりを振った。
冷や汗が止まらぬまま、ジュニマは袴姿のまま神社(自宅)を後にした。
「ロックとブランに話さねば・・・・・!!」
一方同時刻、ブランは・・・
『BLANC fans let's yell it GO! ×× GO!…え?もしもし。ジュニマたん?…ああっ!!』
ハートキャッチ☆アストラーズグリーンのブランは、ヒーロー家業の裏側で売れない地下アイドルをしている。
ジュニマからの電話と同時に起こる目眩、そして遠くの方から聞こえてくるシンジの呻き声。こうしてはいられない。助けに行かなくては!!
ヒーロー達はアストラ神の福音により、互いの身に危険が迫った時に感知する事ができるのだ。
一方同時刻、ロックは・・・
「クッ…」「おい!こっちだ!」
「見つかったわ!」「ここらへんにいるはずだ、探せ!」
ロックはとっさに地下倉庫の物陰に隠れる。
「ハァ…ハァ…気づかれた!なんとかしなきゃ!でも…。はっ!!?…この感じ!?」
とっさに胸元に仕込んでいた時限装置のスイッチを入れその場を離れるロック。
「任務中だけど仕方ないわね!ボスへの言い訳はあとで考えましょ!」
「こっちにいました!」「追え…!」
ダダダッ!ズガガガガ…!!
敵の本拠地を飛び出した瞬間に爆発音が響く。足音と発砲音が消え、暗闇の中で黒い影がその場を離れる。
「早く!早く行かなきゃ!シンヂが…!」